014「ラッキー・キャット・MANEKI」
SOM SOM
素 材:FRP/鉄骨/オイルペイント
実物寸法:180×180×170cm
実物寸法:180×180×170cm
「第1回野外彫刻展2015」のテーマである「祝祭」の意味を正面から捉えてみました。「祝祭」すなわち人が集い、祝う「祭り」は、軽快なリズムを持つ明るく開放的な情景を思い浮かべます。そしてその結果我々3名のグループが話し合い、モチーフとして決定したのが、人を招き、運を招くといわれる「招き猫」の存在でした。古くは農作物や蚕を食べ荒すねずみを駆除してくれた吉兆な存在、縁起物として、日々の生活の中の身近な、そして日本人なら誰もが知る、日本古来のオブジェとも言える「招き猫」をモチーフとして制作することは、既存を保持しながら、その歴史に敬意を示しつつ、象徴的かつ寿ぐ存在として、「国立」の地に披露したいという試みでもあります。まずこのオブジェは3方向に正面性を持つ形体をしています。提示された立地条件を考慮し、歩行者に対しての導線と対面側からの視線を意識しました。また最近では、ブログ、フェイスブック等の普及から、モバイルによるスナップ撮影が日常の動作になている風景をよく目にします。それはおそらくこの場所に来た証として、生きていることの今として、また遊び感覚の延長としての確認でもあるのでしょう。オブジェと並び写真を撮る笑顔の人々の姿が想像できる気がします。新しいフォトスポットの誕生です。通常オリジナルの「招き猫」は白、黒等の単色がベースになっていますが、制作意図として、「招き猫」のもつ愛嬌にみちた形体をそのまま生かしつつ、表面に自然のエネルギーをカラフルな彩色の中に表現したいと思います。3面に各々春夏秋をイメージする様々な花、草木を描写し、(冬は内包する地下マグマとして)希望、再生、共存を(ささやかな置き物かもしれぬ)「招き猫」を通して謳いたいと思います。